
「あなたのキャリアは申し分ないのですが、弊社ではこれからじっくり育成していくための若い世代の人材を探しておりまして。。。」
電話の向こうから事務的な声が聞こえてきて、私は「まただ…はっきりと『あなたの年齢では採用できません』って言えないのね」と思いながら、「ありがとうございました」と電話を切りました。
アメリカから日本に戻ってきて、これでいったい何社に応募したんだろう。
“日本的”な年齢制限の壁
一次審査や面接にまでも辿り着けない。派遣会社に登録して応募してみても、ほとんどの会社から来るメールは「今回は見送らせていただきます」の冷たい一文で、私が築き上げてきたキャリアやスキルを見てもらうまでもなく、年齢で跳ねられてしまうのです。
二十代からコンピューターを駆使するスキルを身につけて、仕事の合間には英語のレベルアップのための勉強を続けてきたし、将来の役に立てば、とマナー教室に通って講師にもなれました。
子供が産まれても、保育園に預けて仕事を続けて、あっという間に私の三十代は過ぎて行きました。渡米してからは無我夢中で研修を重ねた結果、大手航空会社でのスタッフ養成リーダーにまでキャリアアップしました。
家族の都合でまた日本に戻らなければいけなくなったとき、アメリカの職場の仲間たちからは
「さびしくなるわ。でもあなたのスキルなら日本でも大丈夫!がんばってね」と送り出してもらったのに。
これが、日本の地方に住む、結婚して子供を産んだ後も働きたい女性たちの現実。
周囲の友人たちに聞いてみても、あきらめと苦笑いが返ってくるだけで、
「結婚して子供がいたら、パートで数時間でいいんじゃないの?」と、たしなめられてしまうのです。
「就職」って本当に必要?
そんな悶々とした日々が続いていたある朝、洗濯物を干し終わりパソコンを立ち上げているときに、ふと思いつきました。
「家でも出来る仕事ってあるんじゃないの?」
そこから三日間、パソコンで “クラウドソーシング”“在宅ワーク”という言葉を検索しまくってみると、私が足を棒にして探し回っていた仕事がたくさんあったのです!
今まで培ってきたマナーや文章表現を通して記事を作成するお仕事から、事務処理が得意な私に向いていそうな書類管理、英文の翻訳や顧客管理の業務まで。
そこにあったのは、年齢や性別の指定もなく居住地も選ばない、在宅ワークという選択肢の数々でした。
在宅で出来る、自分のスキルを活かした仕事
今までの自分のお給料や時給のことは忘れて、まずは簡単なものから挑戦を始めました。
アンケートに答える・動画から文字起こしをする・・・
そうやっているうちに、英文を日本語に訳すお仕事や、自分で記事を作る仕事など専門性の高いものも請けられるようになったのです。
会社でキャリアを積んでいくのは難しい日本だからこそおすすめしたい
会社に行って働くのではなく、自分自身で仕事を選んで時間も管理しなければいけませんが、ここには“女性だから無理だろう”“この年齢では駄目だろう”と言った先入観はまったく存在していません。 自分のスキルがあれば、良い条件のお仕事を探して採用してもらえます。
結婚を機に会社を辞めざるをえなくなった・子供が産まれても何か仕事をしたい・せっかく身につけたスキルをなんとか活かしたい・地方でも自分にあった仕事を見つけたい・・・
そんな声を女性たちから聞くたびに、私は「私は在宅ワークをしているんだけど」と話しています。